サヨナラのしずく
俊平はタバコに火をつけて、横目であたしを見てくる。



あたしはそんな俊平をちょっと睨み付けた。




「彼女と別れてきて」


「は?」


「本当にあたしが好きなら彼女と別れてきてよ」




自分が今、とてつもなくすごいことを言っているのはわかっている。



でも嫌なんだ。



俊平を誰かと共有するなんて。




「ちょっと待て。彼女って誰のことだ?」


「そんなの知らないよ。俊平の彼女でしょ?」





なんかイライラしてきた。



これってヤキモチってやつなのかな。




「俺の彼女?そんなのいねぇよ。つうか、俺の女はお前だろ?」


「嘘!だって前にカズキさんが俊平に彼女ができたって言ってた」





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