サヨナラのしずく
「それ、俺の女だって印だ」


「印?」




首をかしげて、ネックから俊平へと視線を移す。




「ああ。それ俺が気に入って何年もずっとつけてたやつだ」


「うん」




出会ってまだそんなに月日はたたないけど、俊平はいつもこのネックをつけていた。




「周りのやつらもそれを知ってる。だからそれをお前がつけてるってわかれば、お前が俺の女だってわかるだろ?」


「うん」


「だからぜってぇ外すな」


「わかった」


「それから中入ったら俺から離れるな。いいな?」




中入ったら離れるなってどういうこと?



俊平の部屋にいくんじゃないの?



< 167 / 358 >

この作品をシェア

pagetop