サヨナラのしずく
そう思っていたら、俊平はビルのエレベーターのほうではなく、クラブの方へ入っていこうとしてる。




「ちょっと、待って!」


「ん?どうした?」




あたしの肩に腕を回し、クラブへ入っていこうとしていた俊平は再び立ち止まった。





「クラブ行くの?」


「ああ」


「俊平の部屋じゃなくて?」





俊平の部屋に行くんだとばかり思っていた。



それにまだ夕方だからクラブは開いていないんじゃないの?





「言ってなかったか?今日はOBの集まりだ」




OBの集まり?




「何それ?」


「俺が椿連合のOBだってことは話しただろ?」


「うん」




元総長だったこともちゃんと聞いたし知ってる。




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