サヨナラのしずく
俊平の元へ早く戻らないと心配かけるかもしれない。



ううん、心配なんて本当はしていないかもしれない。



あたしのことを大切だと言ってくれたのに、こんなにも簡単に不安に襲われてしまう。




俊平の元へ戻ろうとトイレから出ると、俊平が立っていた。




「おせぇから心配しただろうが」


「ごめん」


「どうした?なにかあったか?」


「ううん。ちょっと疲れたから休憩してただけ」



俊平は心配そうにあたしの顔を除きこんでくる。



だけど、今はそんなことしてほしくなかった。



顔を見られたくなかったし、顔を見たくなかった。




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