サヨナラのしずく
「それなのになんでナオが出てくるんだ?」


「……トイレで女の子が噂話しているの聞いた」


「なんて?」


「俊平はナオさんがロングヘアーだったからロングヘアーの子が好きだって。ロングヘアーの子だったら誰でも抱くって。それにあたしとナオさんが似てるって言ってた」





話しているとまた自分が惨めに思えた。



せっかく止まった涙がまた出てきた。





「なんだよ、その噂。確かにナオはロングヘアーだったけど、女を髪形で選らばねぇよ。ロングヘアーなら誰でも抱くなんてことはねぇ」


「でもいっぱい女の人を抱いたんでしょ?」


「ああ。ナオがいなくなってからは言い寄ってくる女を抱いた」


「最低」




俊平のこの腕がたくさんの女人を抱いたと思うと悲しかった。




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