サヨナラのしずく
俊平の家へやってきて、あたしと俊平はソファーへと腰かけた。



すると俊平が話始めた。




「俺産まれてすぐに、この繁華街で捨てられてたんだよ」


「え?」





捨てられてた?


この繁華街で?





「だから親のこと何も知らねぇ。ずっと施設で育ってきた」


「………」





あたしは話をする俊平の横顔をジッと見て、黙って聞いていた。





「それで小6のときくらいからグレ出して、この繁華街で当時の椿連合の総長に拾われた。お前もこの前集まりで会ったろ?あの人が俺を拾ったんだよ」




あのスーツを着ていた偉そうにしていた人だ。





「後はまともに学校もいかねぇで喧嘩ばっかりしてたな」




そこまで話した俊平はやっとあたしへと視線を向けた。





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