サヨナラのしずく
それもお祖母ちゃんがいなくなってから贈られてこなくなり、お祖母ちゃんが用意してくれてたんじゃないかって思う。




「……あたしもこの人に捨てられたんだよ」




そう言うと、俊平の腕が伸びてきてギュっと抱き寄せられた。




「別にお祖母ちゃんは優しかったし、親がいないことなんてなんともない」


「ああ」


「この人のことを母親だと思ったこともない。一緒に暮らしたこともなかったけど、お祖母ちゃんがいてくれてたからそれでよかった」




話し出したら止まらない。



そんなあたしを知っている俊平はただ黙ってあたしの話を聞いてくれる。




「だけど中3の時、お祖母ちゃんが死んだんだ」





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