サヨナラのしずく
さっきまで眠たそうだった俊平はもう完全に目覚めてしまったらしい。



あたしは俊平に解放された耳を押さえて俊平を睨み付けた。




「なんだよ、その目は」

「別に」


「別に、なんだよ」


「耳感じたらおかしい?」




そんなに寝起きで声を出して笑うほどおかしいのかな。





「おかしくねぇよ。俺が笑ったのはお前が感じてて嬉しいからだ」


「嬉しいの?」


「ああ、男は好きな女には最高に感じさせてぇもんなんだよ。でもお前昨日初めてだったからそこまで気持ちよくなかったろ?」


「気持ちよかったよ?」




確かに痛みもあったけど、あたしは俊平に触れられるだけで心地いい気持ちよさに包まれる。





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