サヨナラのしずく
この日も抱き合ったあと、まだベッドの上で息を整えて居るときだった。



テーブルの上に置いている俊平の携帯が音をたてた。



俊平はベッドから起き上がり「どうせカズキだ」なんて言いながら電話に出た。



あたしもベッドから起き上がり、何の恥じらいもなく裸のまま冷蔵庫のお水を飲みに向かった。



俊平はそんなあたしをチラチラと見ながら小声で話をしている。



まあ、カズキさんからかかってくる電話はクラブでトラブルが起きたとかろくなことじゃないから、あたしには聞かれたくないのか小声で話したりすることもあるけど…。



今日はそれが理由で小声で話してるんじゃないと思った。



だって微かに、俊平の口からマミさんの名前が聞こえた。





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