サヨナラのしずく
「腹へったな。飯食いに行くぞ」




そう言って、俊平はタバコを吸ったまま歩き出した。




行くぞって、あたしは別にお腹すいてない。



学校でお昼に食べてから何も食べていないけど、夜ご飯なんて食べないことなんてよくあることだし。




「何やってんだ?早く来いよ」




動き出さないあたしに気づいたのか俊平は振り返りそう言った。



あたしはちょっと急いで俊平の元まで行くと、俊平はあたしの肩に腕を回し再び歩き出した。



初めてあった時もそうだったけど俊平って強引で俺様だ。



自分のペースに自分の世界にあたしを引っ張りこもうとする。



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