サヨナラのしずく
あたしも負けじと女の人を睨み返す。




「ここへは絶対に来るなって言うからおかしいと思ってたら、そういうことか…一緒に住んでんの?」


「………」




睨み返すのにいっぱいいっぱいで言葉が出てこない。



なのに女の人はあたしを押し退けるかのように部屋に入ってくる。




そして、部屋を見渡して再びあたしを睨みつける。





「シュンは?いる?」

「シャワー浴びてるけど」


「そう、まあいいや。代わりに相手してよ」




そう言って、女の人はソファーに腰をおろす。



あたしは扉を閉め、女の人の前へ立った。



「名前は?」


「雫」


「あたしはマミ」


「知ってる」




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