サヨナラのしずく
「分かってる!ナオは俺のせいで死んだんだからな」


「だったらなんでっ!」





俊平は何も言い返すことができないのか辛そうな顔をしてただマミさんを見ていた。



マミさんは次から次へと涙を流していてこれ以上はもう言葉にならないみたいだ。



そしてあたしはふたりをただ黙って見ていた。



まるで映画でも見ているかのように現実じゃなく夢でも見ている気分だった。



しばらくしてマミさんが落ち着くと、俊平はマミさんを送りに行くと言い出した。



俊平はマミさんの腕を掴んであたしの前を通りすぎる。




「…行かないで」




あたしは我慢しきれずそう言った。




< 237 / 358 >

この作品をシェア

pagetop