サヨナラのしずく
「ナオが俺を怨んでたかはもうわからねぇ。だけど、マミは俺を許せねぇって言う…俺も自分が許せねぇんだ」




だからあたしと別れるの?


マミさんが言ったように幸せになることが許せないの?



だけど、だけど、あたしには俊平しかいない。




「……別れたくない」




どんな理由があろうと俊平と別れるなんて嫌だ。




俊平があたしといれば苦しむのは分かってる。



それでもあたしは俊平と別れたくない。




「ごめんな」




あたしは声を大にして泣きじゃくった。



こんなに残酷なことを知らない。



だけど、その残酷さも受け入れるしか選択肢すらないんだとわかった。




< 241 / 358 >

この作品をシェア

pagetop