サヨナラのしずく

……タクミさん？



俊平じゃないとわかると、何故だか涙が出てきた。



タクミさんはそんなあたしの頭に手を伸ばし優しく撫でてくれる。



俊平が伸ばしてくれなかった手を別の人が差し伸べてくれた。




「大丈夫か？何か食い物持って来させるから待ってろ」




タクミさんはそう言って誰かに電話をかけて食べ物を持ってくるように言った。



「シュンさんと言いあんたと言いマジで死ぬつもりか？」


「…………」


「シュンさんが荒れてる。現役のころでもここまで荒れたことねぇくらいに」





そんなことを聞いても切ないだけだよ。



今はまだ俊平の話を聞ける余裕なんてない。




「あんた、止めてくれねぇか？このままじゃシュンさんマジで死んじまう」