サヨナラのしずく
席まで案内されると、俊平はあたしの肩に回していた腕を離した。



あしたちは席に座り、俊平はすぐにメニュー表に目を向けた。




「何か食いてぇもんあるか?」


「なんでもいい」


「じゃ、適当に頼むぞ」



そう言って俊平は早速注文を始めた。





「塩タン2と、上ロース2と、上カルビ2と…あと上ミノも2つ頂戴。それと、生ビール…お前は何飲む?」




メニューからあたしへと視線を移し聞いてきた。



「お茶」


「ウーロン茶ひとつと」



そう言うと、タバコに火をつけた。



店員さんは注文内容を確認すると火をつけ戻っていった。




「あんなにいっぱい頼んで誰か他にくるの?」


「は?来ねぇよ。あれくらい俺ひとりでも食えるだろ」




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