サヨナラのしずく
眠れずにいるとあたしの携帯が鳴った。



一瞬だけ俊平からだと期待した。



でも電話の相手はさっき番号を交換したばかりのタクミさんからだった。





「もしもし」


『寝てたか?』


「起きてた」




そう言うと、タクミさんは自分の話をし出した。



あたしを送ってくれたあと遊びに行っていたみたいで、その話だった。




『まだ眠たくならねぇか?』




しばらく話を続けてたタクミさんが聞いてきた。



あたしが眠れるように話をしてくれているのはわかってる。



だけど今日は眠れそうにない。




「うん」


『今日、ちゃんと飯食ったか?』


「食べてない」




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