サヨナラのしずく
だけど食べ終わったらタクミさんが帰っていくと思ったら悲しかった。



ひとりになりたくないと思った。





「しばらくそばにいてやろうか?」


「えっ?」


「あんたが元気になるまで」


「いいの?」




タクミさんにとったら迷惑なことでしかないだろうけど、それでもあたしはひとりになりなくなかった。



タクミさんの救いがあたしの唯一の命綱だった。




「俺も心配で帰れねぇよ」


「うん」




同情でもいいからそばにいてほしい。




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