サヨナラのしずく
ふたりで話しているとタクミさんが戻ってきた。




「あ、お兄ちゃんおかえり!お兄ちゃんがいない間に雫さんと仲良くなっちゃった」




タクミさんは黙ってあたしの横へと座り、あたしを見てきた。




「ほんとか?」


「うん!ユウカさんと話せて楽しかった」


「そっか!そりゃ良かった」





タクミさんの優しい笑顔を向けられて、ユウカさんと本当に兄妹なんだと思った。




「ん?ジロジロ見てどうした?」


「うん、兄妹っていいなって」


「俺にしたら雫も妹と変わらねぇ」


「えっ?」


「雫も妹みたいなもんだ」





嬉しいと思った。



妹だと言ってくれたのはもちろんだけど、名前を呼んでくれて嬉しかった。



いつもあんたって呼ばれていたけど、名前を知ってくれていたんだ。





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