サヨナラのしずく
そばにいて
病院からでると、いきなり目の前に黒色のセダンが止まった。



そして、中から男の人が二人出てきてあたしは抵抗も虚しくあっという間に車に乗せられた。




なに?誘拐?


何がなんだかわからない。



車の中で手首を縛られて、口にはガムテープを貼られた。



あたしは不安で自然と体が震える。



誰か助けてと思いながら頭の中に浮かんだのは俊平の顔だった。



だけど俊平が助けにくるわけがない。



この前、あんなことを言ったのにこんなときに俊平を一番に思い浮かべるなんて。





< 314 / 358 >

この作品をシェア

pagetop