サヨナラのしずく
「なぁ、雫」


「うん?」


「俺なタクミにすげぇ嫉妬した」




俊平がタクミさんに嫉妬?



「タクミの葬式のときにお前が一緒に死ぬって泣いてて羨ましく思った。だけど、もし俺が死んでもお前は死ぬなんて言うな。俺の分も生きろ」



「俊平、死ぬの?」




やっぱり俊平どこか悪いの?


だからこんな話をするんじゃないかと不安がおそってくる。



あたしは俊平の腕を掴む手に力を込めた。




「…心配すんな。ずっとお前のそばにいるから」




俊平のたった一言ですごく安心した。




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