サヨナラのしずく
俊平と一緒に家に帰ると、ヨネダさんの車が停まっていた。



あたしに気づいたヨネダさんは車なからおりてきた。



「雫ちゃん、いきなり訪ねて申し訳ない。ちょっと渡したいものがあってね」


「渡したいものですか?」


「そう。ゆきから預かっていてね」




そう言って、ヨネダさんは紙袋を差し出した。



それを受け取り中を見てみると、専門学校の資料がいくつも入っていた。



それも全て料理関係だ。





「ゆきが雫ちゃんのために全部資料請求したんだ」




母親があたしのために?





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