サヨナラのしずく
「はい」


「僕が言えた立場じゃないけど雫ちゃんのことお願いします。僕が愛した人のたったひとりの娘なんだ」




ヨネダさんは俊平へと手を差し出してふたりは握手を交わした。



そしてヨネダさんは仕事があるからと帰っていった。


仕事があるのにわざわざ渡しにきてくれたのは、あたしの様子を見にきてくれたのかもしれない。



あたしはひとりぼっちになってしまったと思ったけど、それは違ったかもしれない。



あたしのことを考えてくれてる人がいるんだとわかった。





< 345 / 358 >

この作品をシェア

pagetop