サヨナラのしずく
「じゃ一緒にいく」



そう答えると、俊平はほほ笑むように笑ってあたしの肩から腕を動かし頭を撫でてきた。



汗かいてるからあんまり触ってほしくないのに。




「もしもし、今から行くわ…ああ、一緒だ。じゃあな」




俊平は電話の相手に今から行くと伝えて電話を切った。



あたしはまた肩を抱かれて歩きだした。




「ねぇ、友達って男?」


「だな」


「そっか」


「嫌か?」




別に嫌ではない。



でもあれ以来ちょっと男の人が怖くなってる。



俊平は大丈夫だけど、他の男の人に話しかけられるとちょっと意識してしまう。




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