サヨナラのしずく
「俺、先にシャワー浴びてくるわ」


「うん」


「シャワー浴びてるうちに帰るなよ」


「帰らないよ!援交狩りじゃないんだから」





俊平は立ち上がってお風呂場へと向かっていった。



なんか自分が今ラブホにいるなんて信じられない。



あたしは俊平が寝る予定の大きなフカフカベットへ仰向けになって寝転んだ。




そして真っ白の天井を見つめていた。




あたしどうしちゃったんだろう?




人前で泣いて、弱味見せるなんて。



でもちょっと胸の奥が温かくなったのは確かで。



俊平を好きなのも確かな思いだ。





< 88 / 358 >

この作品をシェア

pagetop