サヨナラのしずく
「おい!風呂入ってこい。お湯ためてやったから」




俊平の声でウトウトしかけていたあたしは起き上がった。




シャワーからでてきた俊平は濡れた髪に、上半身は裸で首からタオルをかけていた。




上半身裸くらい対したことないんだけど、濡れた髪のせいか、引き締まって割れている腹筋のせいか色っぽい。





「あ、お風呂入ってくる」




目のやり場に困ったあたしはそう言ってベットから出てすこし急いでお風呂場へ向かった。



俊平がためてくれていたお湯にゆっくりつかってからお風呂を出ると、俊平はソファーに座りタバコを吸いながら電話で誰かと話していた。



あたしがお風呂からでてきたことに気がつくと、俊平は急ぐようにして電話を切っていた。



もしかしたら彼女?



多分、彼女だ。



だから、あたしがお風呂から出てきて切ったんだ。




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