サヨナラのしずく
彼女だと疑ってしまったあたしには、気軽に電話の相手を聞くことができなかった。



それに彼女や他の女だったとしても、あたしに何か言う権利はない。



そんなことわかっているから今は彼女の存在から目を背けたい。



目の前にいる俊平のことだけ見るようにしよう。




「寝るか?」


「うん」




ベットで寝るって言ってた俊平はタバコの火を消してソファーに横になってしまった。




「ベットで寝るんじゃなかったの?」


「いいから、お前ベットで寝ろ」




そう言った俊平は、顔の上に腕を置いて寝る態勢にはいってしまった。




「おやすみ」




あたしはベットへ行き布団の中に入った。




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