君に逢いたい。

いつもの道

これは短編小説である。上手く書けるかはわからないが、思い出しながら、書き始めます。 あれは私が高校を卒業して何日か過ぎた頃だった。いつも通る川沿いの道を歩いていた。いつも同じ時間だからだろう。この道で見かける人は同じ顔ばかりだ。あれは三月とは思えない程に暑い日だった。見慣れない女性が私の横を歩いていた。私は一瞬衝撃を受けた。私の初恋の子に似ていた。まるで写真を見ているのかと思うほどに似ていた。私の初恋は中学二年の時だった。相手は同じクラスの美香。初めて隣の席になった時には嬉しくてたまらなかった。美香は明るくて優しく、みんなに好かれている。この頃の私は不良とまではいかないが多少ヤンチャだった。いつも一緒にいる友達も不良達。彼らは私が美香に惚れているのを知っていた。みんな友達思いで、私と美香をなんとか近付けようとしてくれていた。しかし問題がある。美香は暴力が嫌いだった。さすがに喧嘩ばかりしていた私を好きになる可能性は無いに等しかった。でも毎日隣にいる美香を見る度にどんどん好きになっていく。でも告白は出来ないまま月日は流れて、次の席替えの日、担任は好きな席に座れと言った。私は美香を諦め始めていたので、友達呼ばれて一番後ろの席に移った。男子は大体が決まったが女子はまだだった。「〇〇君の隣行きなよ」なんて女子ならではの会話をしていた。私はあまり興味も無く、窓の外を眺めていた。そんな時、「また隣でいい？」と私に聞く女子がいた。私は「また」というフレーズに嬉しくなった。そこには美香が立っていた。そして私は自分でも驚くセリフで返事をしていた。「美香以外座らせないし。」美香は頬を真っ赤にして微笑んだ。私も真っ赤になった。あれが美香と始めてちゃんと話をした記念すべき瞬間だった。数日後、私は美香に告白をした。中学二年のクリスマスイブだった。私は「美香とずっと一緒にいたい」言った。美香は頷いてくれた。そして私達の恋人生活が始まったのだ。