紫クレヨン
もう…夏を感じさせるかのような暑さだ。

俺はバスケ部に入っている。
中学の時もやっていたから…とりあえず入部するか的な軽い考えで。
その時に一緒に入部したのが由斗…星条由斗だ。

朝練を終えた俺らは、直ぐさま教室に駆け込む。

「でさっ…葵−さっきの話の続きからなんだけどさ」

由斗は俺の席の前にしゃがみ込む。

「はっ?」

わざとはぶらかす俺。

「とぼけんなよなっ。誰からの愛の告白だったんだよ」

「だから…それはノーコメントだ。それ言ったら、その女がかわいそうだろ?」

俺が告白された日はいつもこんな感じで由斗と話す。

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