紫クレヨン
早田朱輝は軽々しく俺に話しかけてくる。

「よろしくね。幸咲クン!これからお世話になります」

「おぅ…」

最悪だ…。
何が『幸咲クン』だ!
まじ、やってらんねぇし…。


そして、沈黙が続く。
そのまま、ホームルームは終わった。

「お前さっ、もう少し優しく接することは出来ないわけ?絶対、早田サンから見た葵の印象悪いぞ」

俺を廊下に連れ出し、小さく言う由斗。

「別に−ぃ!あんな奴から好印象持たれても困るし…大体あぁいう系の女…興味があるとかないとかじゃなくて、嫌いだ!」

俺ははっきりと言った。

「葵は…過去に何かあったのか?あと…まだ早田サンが葵の嫌いな女かどうかなんてわからないだろ?これを機会にその女嫌いをコクフクしたら?」

由斗の言っていることが俺にはさっぱりわからなかった。
< 6 / 7 >

この作品をシェア

pagetop