紫クレヨン
『過去』…

俺は、後ろを向かずに前だけを見つめるようにしてきた。

『過去』と『現在』…そして『未来』。

時間と言うのは不思議だ。
今日やっていることは、明日になれば昨日のこと…つまり過去のことになってしまう…。

だから、俺は後悔をしないようにと現在を悔いなく過ごそうと心に決めている。

「ねぇ、ねぇ…幸咲クン!これ書いて。私ね、早くみんなと仲良くなりたいから…」

早田朱輝から手渡されたのは、プロフィールの紙だった。

女はこういうのが本当にスキだなぁ。
男の俺としては、メンドクサイ。

「うん……わかった」

俺はとりあいず返事をし、手に取った。

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