溺愛王子とヒミツな同居
「これ、大翔君が全部作ってくれたんだよね?」
「ああ、そうだけど」
おばさんから料理ができるとは聞いてたけど、本当だったんだ。
しかもすごく上手。
「いただきます」
手を合わせて、熱々のオムライスを口に運ぶ。
「……美味しい……っ!!」
「それはどうも」
向かいの椅子に座った大翔君も、表情を変えることなく、自分で作ったオムライスを食べ始めた。
「どうしたら、こんなに美味しく作れるの?」
箸が止まらないとはこのこと。
一気に半分くらいまで食べた私を、可笑しそうに見て笑う。
学校では笑ってるところなんて、ほとんど見たことないのに、こんなふうに優しく笑うんだ。
昔から笑った顔が可愛かったことを思いだした。