溺愛王子とヒミツな同居



「確かにそういう噂があるのは知ってる。でも俺、女嫌いって言った覚えないけど。

苦手なタイプはいるけど、話しかけられたら普通に話すよ。どこからそんな噂が出来たのかわからないけど

半分ホントで、半分ウソ」



そ、それって……嫌いじゃないけど、苦手ってこと……?



どっちとも取れる答えに、思わず考え込んでしまう。



「そんな顔するな。お前は特別だから」



一際大きく、胸の鼓動が跳ねた。



それって、どういう意味?



そう聞きたいのに、思いがけない言葉が嬉しくて、どこかで安心する自分がいる。



「朝から浮かない顔してたのは、これか」



食べ終えたお皿を持って、流しに運ぶ大翔君に驚いた。



気付いてたの……?



「う……っ。ごめんなさい」



「気にするな。3ヶ月だけど、一緒に住むんだ。

これからは、お互い気になったことは言うようにしよう。

小さい頃とは違うし、8年の間に変わってることもあるだろうしな」



「うん、そうだね」



2人並んで、お皿を洗い出す。



< 105 / 437 >

この作品をシェア

pagetop