溺愛王子とヒミツな同居
「確かにそういう噂があるのは知ってる。でも俺、女嫌いって言った覚えないけど。
苦手なタイプはいるけど、話しかけられたら普通に話すよ。どこからそんな噂が出来たのかわからないけど
半分ホントで、半分ウソ」
そ、それって……嫌いじゃないけど、苦手ってこと……?
どっちとも取れる答えに、思わず考え込んでしまう。
「そんな顔するな。お前は特別だから」
一際大きく、胸の鼓動が跳ねた。
それって、どういう意味?
そう聞きたいのに、思いがけない言葉が嬉しくて、どこかで安心する自分がいる。
「朝から浮かない顔してたのは、これか」
食べ終えたお皿を持って、流しに運ぶ大翔君に驚いた。
気付いてたの……?
「う……っ。ごめんなさい」
「気にするな。3ヶ月だけど、一緒に住むんだ。
これからは、お互い気になったことは言うようにしよう。
小さい頃とは違うし、8年の間に変わってることもあるだろうしな」
「うん、そうだね」
2人並んで、お皿を洗い出す。