溺愛王子とヒミツな同居
「一緒に帰ろうと思って」
ほんのりと頬を桜色に染めて、目元を細めて笑うまりやに俺の表情も自然と緩む。
「一緒に帰るなんて、同居してることがバレたらどうすんだよ」
嬉しそうな顔から一変して、シュンと肩を落とすまりやの頭に、優しく手を乗せる。
「時々だからな。家も隣同士だし、怪しまれないだろ」
「ほんと……?」
聞いてるくせに、顔には嬉しさが滲み出てる。
ほんと、素直な奴。
「その代わり、食材の買い出しは分担だからな」
「はーい、頑張ります」
ペロッと舌を出して、可愛らしく笑ったまりやの頭をクシャッと撫でて、
他愛もないことを話しながら、家への道を2人で歩く。
「俺、ちょっと着替え取りに帰るから」
「うん、わかった。家で待ってるね」