溺愛王子とヒミツな同居



何を言われても、いつもヘラヘラ笑ってる光は、最初からいないものだと思い、ドアを閉めようとする。



「ちょっ! せっかく来たのに、それは冷たすぎじゃないの?

お茶の一杯くらい入れてよー」



「有害人物に出す茶はねーんだよ。

そんなに飲みたきゃ自腹切って買え」



ドアを閉めようとする俺に、意地でも負けじと閉めさせないよう、体を割り込ませてくる。



「有害人物って何……?

いいじゃん。てか、オレ……大翔に相談にのってもらいたくて来たんだって」



「……相談?」



珍しい言葉を口にする光に気を取られて、少し力を緩めてしまった。



「隙ありーっ!」



「!?」



俺が力を緩めたところをしっかり見ていた光に、まんまと家への侵入を許可してしまった。



「お前……騙しやがったな」



< 114 / 437 >

この作品をシェア

pagetop