溺愛王子とヒミツな同居
何を言われても、いつもヘラヘラ笑ってる光は、最初からいないものだと思い、ドアを閉めようとする。
「ちょっ! せっかく来たのに、それは冷たすぎじゃないの?
お茶の一杯くらい入れてよー」
「有害人物に出す茶はねーんだよ。
そんなに飲みたきゃ自腹切って買え」
ドアを閉めようとする俺に、意地でも負けじと閉めさせないよう、体を割り込ませてくる。
「有害人物って何……?
いいじゃん。てか、オレ……大翔に相談にのってもらいたくて来たんだって」
「……相談?」
珍しい言葉を口にする光に気を取られて、少し力を緩めてしまった。
「隙ありーっ!」
「!?」
俺が力を緩めたところをしっかり見ていた光に、まんまと家への侵入を許可してしまった。
「お前……騙しやがったな」