溺愛王子とヒミツな同居



「安心しなよー。

こんな大翔は滅多に見られないから、オレ黙っててあげる」



「なんで上から目線なんだよ。

お前にハメられるとか、あり得ない」



「まぁ、そんな照れるなって!

大翔がまりやちゃんをどう口説き落とすのか、これからじっくりと観察させてもらうから。

じゃ、お邪魔しました」



言いたいことだけ言って、そそくさと逃げて帰った光。



俺の口から盛大な溜息が漏れた。



とりあえず、同居のことはバレずに済んで、ホッとしつつ



まりやが待つ家に急いで戻る。



すぐに帰ると思ったのに、光のせいで遅くなっちまった。



俺がいない時は、しっかりと戸締りするように言っておいたため、インターホンを鳴らして応答を待つ。



『大翔君? 今開けるね』



相手が俺だとわかると、すぐに玄関ドアを開けてくれた。



「悪い。遅くなった」



< 128 / 437 >

この作品をシェア

pagetop