溺愛王子とヒミツな同居
「安心しなよー。
こんな大翔は滅多に見られないから、オレ黙っててあげる」
「なんで上から目線なんだよ。
お前にハメられるとか、あり得ない」
「まぁ、そんな照れるなって!
大翔がまりやちゃんをどう口説き落とすのか、これからじっくりと観察させてもらうから。
じゃ、お邪魔しました」
言いたいことだけ言って、そそくさと逃げて帰った光。
俺の口から盛大な溜息が漏れた。
とりあえず、同居のことはバレずに済んで、ホッとしつつ
まりやが待つ家に急いで戻る。
すぐに帰ると思ったのに、光のせいで遅くなっちまった。
俺がいない時は、しっかりと戸締りするように言っておいたため、インターホンを鳴らして応答を待つ。
『大翔君? 今開けるね』
相手が俺だとわかると、すぐに玄関ドアを開けてくれた。
「悪い。遅くなった」