溺愛王子とヒミツな同居
「まぁ、変態なんだけどね~!
あー、朝からまりやをからかうの超楽しい!」
「…………」
そうだった。 栞はこういう子だよ。
人をからかって遊ぶのが大好きで、楽しいと思えることには、とことん力を入れる。
でも、ちゃんと相談にも乗ってくれて、アドバイスもしてくれる。
ムードメーカーだけど、女版の頼れる兄貴って感じ。
「桜も散っちゃったね」
僅かに残った桜の花びらを見上げて、ポツリと呟く。
「花の命は短いからね。
けど、来年も見られるから楽しみじゃん」
同じように桜の木を見つめる栞に、うん、と小さく頷く。
慣れ始めてきた2年の教室。
朝から元気いっぱいのみんなを横目に、自分の席に着く。
席に着くなり、右斜め後ろに座っていた宮内君がやって来た。