溺愛王子とヒミツな同居
付き合う……?
付き合うって、何に……?
「この子、困ってるだろ。
そういうこと軽々しく言うのはやめろ」
考え込んでいた私の手を握ろうとしていたピカちゃんから、背の高い彼が間に入って庇ってくれた。
その時、1つの記憶が一瞬にして蘇った。
小学2年生の時に、怪我をして動けなかった私をおんぶしてくれた、幼なじみの彼。
少し小さな背中が頼もしくて温かかった。
いつも何かあると、側にいてくれた。
その時のことを今、思い出すなんて……。
彼とはまったく関係ないのに、どうしてだろう。
歳を重ねるごとに“会いたい”って思いが強くなる。
「光が悪かった」
またボーッとして、初恋の男の子のことを考えていた私に、背の高い彼が向き直り謝ってくれた。
「あ……、大丈夫……」