溺愛王子とヒミツな同居
不意に近付いてきたと思ったら、耳元で低く囁くように聞いてくる。
こんなことされるなんて思ってなかった私の心臓は、もうバクバク。
「あの……っ。えっと……」
頭が真っ白になっちゃって、何を言おうとしたのか忘れちゃった。
こんな聞き方、反則だよ。
「本当に思ったことを言っただけで……」
「それも無意識?」
私の顔に影ができて、下を向いていた視線が自然と上を向く。
「……大翔君?」
目の前には、制服のネクタイが外れて、第2ボタンまで外れたワイシャツを着た大翔君。
シャツの間から覗く綺麗な肌が目に入り、どこを見ていいのか、目のやり場に困ってしまう。
男の人なのに、私よりも色気漂う大翔君に、思考が上手く働かない。
「そういうこと」
トンッ……と音がして、初めて自分がソファと大翔君の間に挟まれてることに気付く。