溺愛王子とヒミツな同居
「……まりや、おはよ」
ゆっくりと体を起こして、回り始めた頭で挨拶する。
「お、おはよう」
急にパッと下を向いたまりやを不思議に思いながら、その様子をうかがい見る。
「どうした?」
「えっと……朝ご飯の用意できたからって、言いにきたんだけど」
チラチラと俺を見ながら話すまりやの顔が、微かに赤くなってることに気付いた。
ベッドから降りて、下を向くまりやに近付く。
「顔赤いけど」
まりやの目線の高さに合わせて顔を覗き込むと、バッチリと目が合った。
途端に目がキョロキョロしだして、唇を噛みしめる。
顔はどんどん赤くなるばかりで、まるでリンゴ状態。
なんでこんなふうになってるのかわからない俺は、ジーッとまりやを見つめるだけ。
寝起きということもあり、意味なく見つめていると、まりやが困ったように俺を睨む。