溺愛王子とヒミツな同居
ザァーッと雨のように降り注ぐシャワーの中に、服を着たままのまりやが俺を振り返る。
その姿に呆然とする俺。
何がどうしてこうなったのか、すぐに理解できなかった。
「……ひ、大翔……くん……っ」
困ったように笑顔を貼りつけて、俺の名前を呼ぶまりやに、とりあえずシャワーを止めてやる。
「大丈夫か? あーあ、ずぶ濡れ」
頭から全身ずぶ濡れのまりやの腕を取り、その場に立たせる。
「レバー切り替えるの間違えちゃって……。バカだよね」
渇いた笑いを漏らすまりやのそんなドジっぷりにさえ、可愛いと思ってしまう。
「気を付けないと水浴びするにはまだ早すぎるだろ」
「そうだよね」
濡れたままのまりやをバスルームから連れ出して、洗面所の棚からタオルを取り出し頭から被せて、そのまま優しく髪を拭く。
「風邪ひくといけないから、早く着替えたほうがいいぞ」