溺愛王子とヒミツな同居
それだけを言い残して、バスルームを後にする。
リビングに戻った俺は、ドサッと体をソファに預けて座る。
「はぁ……ヤバかった……」
あいつは全然気付いてなかったけど、濡れたままで無防備に見つめてくるなんて、ほんとヤバすぎだろ。
自覚がない分マジで参る。
一緒に住むって決まった時に、自分なりに色々と覚悟はしてたけど、欲が増えてる気がする。
だた側にいられればいいってだけじゃ、収まらなくなってきてる。
「俺の理性……持つか……」
髪をクシャッと握り、その手でそのまま顔を覆う。
「大翔君、さっきはありがとう」
着替え終わったまりやが恥ずかしそうにリビングに入ってくる。
それを横目で捉えて、短く返事を返した。
「あ、もうすぐお昼だから、何か作るよ」
もうそんな時間かと、時計にふと目を移す。