溺愛王子とヒミツな同居
~~♪
リビングテーブルの上で、スマホが着信を知らせる。
画面を確認した瞬間に、俺の顔が不機嫌になったのは言う間でもなく。
面倒くせぇと思い放置するけど、一向に着信が止む気配なし。
嫌々、通話ボタンをタッチして、耳にスマホをあてる。
「俺はお前に用はない」
『……愛しの親友に向かって第一声がそれってどうよ……。
もっと普通に出られないの? チョー傷つくんだけど』
「棒読みで言い返されても、笑ってなんかやらねーぞ。
大した用ないなら切る」
どうせいつもと同じくだらない内容だろうと、通話を強制終了しようとする。
『ヒロく~ん、電話切っちゃいや~ん。
てかさ、オレ今どこにいると思う!?』
「気色悪いんだよ。そんなもん知るかっ。
どうせ女と一緒にいるんだろ」
大概、休みの日はデート三昧の光が、どこで何をしてようと俺には関係ない。
今日もそうだろうと、今度こそ電話を切ろうとした。