溺愛王子とヒミツな同居
ラッキーボーイってなんだ。
あいつは子供か。
女に見せる営業スマイルで、ここに来た経緯をまりやにも説明しだした。
そんな光の対応をしながら、曖昧に笑うまりやがチラチラとリビングの方に目を向けてることに気付いてるけど、助けに行くことができない。
今、出て行ったら最後。
俺は何を言われてもいい。
だけど、まりやが傷付くのは耐えられない。
悪いと思いながら、助けに入れない自分の拳を強く握りしめた。
「ねぇ、まりやちゃん。
変なこと聞くけど、今……大翔と一緒にいるんじゃない?」
「……えっ。ひ、大翔君?」
急に話題を変えた光に、内心ドキッとする。
まりやもまさか、そんなことを聞かれるなんて思ってなかったらしく、俺でもわかるくらいに声が上擦っていた。
「どうして、そんなこと聞くの?」
何とか平静を装って、聞きかえすまりやだけど、勘が鋭い光にそれが通用するかどうか。