溺愛王子とヒミツな同居
「ま~り~や~?
人が心配してんのに、ちゃんと聞いてんのか?」
プニプニと頬を人差し指で弄ばれて、つい苦笑い。
「ごめん。心配してくれてありがとう。
何とか大丈夫だったから」
「本当? ならいいんだけど。
ほら、トラウマになったって聞いてたから、大丈夫か心配だったんだよ」
小さい頃に大翔君たち家族と遊園地に遊びに行った時に、お化け屋敷に1人取り残されたことが原因で、真っ暗なところがダメになった私。
大翔君の家によく遊びに来ていた男の子にいつも意地悪されて、いつも泣かされてた私を大翔君が守ってくれた。
遊園地に行った時も、その男の子の悪戯だったって後から聞かされて、すごくショックだった。
私は仲良くしたかったのに、どうしてこんなことするの?って、小さいながらに思ったことを今でも鮮明に覚えてる。
大翔君が引っ越ししてからは、その男の子ともぱったりと会わなくなったっけ。
私が暗いところがダメなことを話してあったから、栞はいつも何かと気にかけてくれる。
さすがに今回のことは、口が裂けても言えない。
大翔君がいてくれたから、大丈夫だったなんて……隠し事はしたくないけど、言えないよ。
「きゃあ~!! ヒロ君おはよう」
「今日もヤバイくらいカッコイイ!!」