溺愛王子とヒミツな同居
★彼女は、天然で可愛い女の子-大翔side-
新学期。
今日から高2になる。
緩く結んでいたネクタイをしっかりと締めて、鞄を肩にかけ直した。
「ネクタイ締める姿も色気ありすぎっ」
「声かけたいけど、恥ずかしい」
学校に向かう途中にそんな声があちこちからして、周りにいる女が赤い顔をして俺のことを見てくる。
朝から無駄に元気だな……。
女ってなんであんなに騒ぐのが好きなんだよ。
俺には全然わかんねー。
キャーキャー騒ぐ女子の間を足早に抜けていく。
そんな俺めがけて、後方から物すごい足音が響いてきた。
朝からうるせぇな……。
心の中でそう思ったと同時に、後方から全力疾走してきた奴を、寸でのところでヒョイッとかわしてやる。
「オーマイガーッ!!」
両足で急ブレーキをかけて、その場に止まった危険人物。