溺愛王子とヒミツな同居

「おま……っ。

親友のこのオレに怪我させるつもり？」



女が喜びそうなキメ顔で、俺にそんな文句を垂れるこいつは



宮内光（みやうちひかる）



まぁ、中学からの腐れ縁で、一応親友。



明るめのミルキーブラウンの少し長めの髪を、いつも器用にアレンジしてる。



右耳にシルバークロスのピアス、黒色の丸石がついたピアスをつけて



わざとワイシャツの第２ボタンまで外した着崩し方がお洒落だと思ってる変な奴。



自分の胸元辺りを指差しては、



『オレのフェロモンは、ここから出るんだ』



とか、意味わかんねーこと言ってたな……。



「はぁ？ お前が走ってくるからだろ。

危険を察知して避けるのは、当然のことだ」



「ほんと、お前ってオレに対して容赦なさすぎだよ。

少しは親友として扱ってくれても」



「女なら誰でもいいなんて言う奴に、誰が容赦するか。

クソチャラ男め……。　いい加減、本命作れよ」



心底嫌そうな顔を見せる俺に、このチャラ男は全然悪気もなく、ニヘ～ッと気持ち悪いくらいに自慢の顔を崩す。