溺愛王子とヒミツな同居
そんなアホ面に対して、無表情で返す俺は
松坂大翔(まつざかひろと)
8年前に住んでいたこの街に、最近また戻ってきた。
俺が小学校に入学した時に建て直したばかりだった親父自慢のマイホームは、
俺が小学2年生になってから8年という約束で親父の知り合いに貸すことになった。
親父の仕事の都合で、7年間の間に2度も引っ越し。
1年前、つまり俺の高校入学を機に、俺と母さんの2人は先にこっちに戻ってくることになり、
親父だけは1年海外にいたから離れて暮らしていた。
そして今年の春からやっとマイホームで家族全員が暮らせることになった。
引っ越し先の中学で2年の時に、クラスも一緒で席も“松坂”と“宮内”で近かったために、何かとこの変態に絡まれたってわけ。
光は出会った時からずっとこんな感じで、女遊びが激しい。
悪い奴じゃないけど、昔付き合ってた彼女のことがトラウマになってるらしく、今のあいつができあがった。
俺も何となくしか聞いたことがないから、詳しくは知らないけど、
本当の恋を知らない光は、可哀相だと思う。