溺愛王子とヒミツな同居
風呂からあがった俺は、ミネラルウォーターを手に持ち2階の部屋へと戻ってきた。
それを待ち構えてたみたいに、隣の部屋からまりやがひょっこりと顔を出す。
「どうした?」
「あのね、小さい頃のアルバム出てきたんだけど、一緒に見ないかなって」
俺の様子をうかがうように見て、尋ねてきた。
「懐かしいな。アルバムか……」
小さい頃のことを思い出して、自然と頬が緩む。
「じゃ、お邪魔させてもらおうかな」
まりやの誘いに足を動かしたその時だった。
——ピーンポーン。
家中に鳴り響いた嫌な音。
いつもならそんなことは一切思わないのに、この時は凄く嫌な予感しかしなかった。
「こんな時間に誰だろう? ちょっと見てくるね」
俺の横を通りすぎて、止める間もなく1階へと下りて行ったまりや。
俺もすぐにその後を追いかけた。