溺愛王子とヒミツな同居
谷山君より先にその単語に反応した私に、栞は満足顔。
「へぇ〜? 女の子同士の秘密の密会か。
俺も興味あるな、それ」
顎に手を添え、何かを思案する素振りを見せてからにっこりと笑って見せる。
「ね、それって俺も行っていい?
それに女の子2人じゃ危ないでしょ」
「危ないって何がよ。
小さい頃にまりやをイジめてたあんたの方が、よっぽど危険人物だと思うけど。
てか、あんたクラス違うんだし関係ないでしょ」
険しく眉根を寄せる栞に、谷山君はにっこりと笑ったまま。
本当に彼も行くのかな……。
出来れば、あんまり一緒にはいたくないというのが私の本音。
小さい頃に散々意地悪されて泣かされて、何一ついい思い出がない。
小さな火花が栞と谷山君の間で飛び交う中、のんびりとした声が割り込んできた。
「なーに睨めっこしてんの、2人とも」
鞄を肩にかけ、不思議そうに首を傾げた宮内君。
そのすぐ後ろには、大翔君も一緒にいた。
「お、あんたいいとこに来たね!
ちょっとこのタニー君をどうにかしてくんない?」
「た、タニーって……もしかして俺のこと?」