溺愛王子とヒミツな同居



「ヒカりんさぁ、もうちょっと女の付き合い方考えなよね。

誰彼構わずがいつまでも続くと思ってたら、松っちゃんが言った通り本当に痛い目見るんだから」



「米ちゃんまで厳しいこと言うなぁ……」



気まずい空気が漂いだした時、タイミングよく栞と宮内君が戻ってきてくれた。



「ん? どうした? 何か空気が重たくないか?」



敏感な2人はすぐに気付いて、その表情がすぐに真剣なものになる。



「悪い。こいつ連れて帰るわ」



「えっ!? なんで?」



うつむいて座っていた私の腕を大翔君が引っ張って立たせる。



突然のことに3人はなんでの繰り返し。



「気分悪いみたいだから、今日は帰る。じゃ、またな」



鞄も掴み、私の肩を抱くようにして大翔君は部屋を出る。



外に出ると、空は既に薄暗くなり始める頃だった。



カラオケを出た後の大翔君は、何を考えているのか……一言も話さない。



私も何となく話しかけづらくて、ただ肩に置かれたままになってる腕の強さと温もりだけを感じていた。


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